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インド、タイ
「バクシーシ!」ライ病の少年(こ)が来(き)バリアの幼女(こ)が来(く)此処し魂の故郷インドなりけり
※夜、インド到着。デリー駅構内に人がいっぱい寝ている。列車待ち?…ではなかった。ホームレスの人たち。表に出てスタンドでマンゴジュースを飲めば、ライ病でいざりとなった少年が寄って来て私のズボンを引く。大きなクモのようで魂消た。スタンドの兄貴に蹴とばされて追い払われてしまった…。
「ターバンのあやしき翁我(わ)を呼ばふチキチキダンスとぞ直後女を知れり」
※人に連れられて女を買いに行く。24才だったが童貞だった。
「おのづから胎に入るごと引かれしか悪とせよ業とせよ回帰せし闇」
「ニルベラのやすらぎけぶる村に来て前世を見るはただ不思議かりき」
※デリー近郊アサンソールでのこと。朝餉の煙ただよう村を行くと説明不能の不可思議な懐旧の想いがした。粗末なサリーを巻く女も遊ぶ子供も、ピッパラの木々も皆懐かしく、恋しい。帰国後その地を調べたが、何と、お釈迦様が教を説かれ遊行された地だった。この後得度したこととも合わせ何者かの誘いを想う…。
「南国のワット・パクナムに得度すも黄金の仏像そのおそろしき眼」
※衣、食、住をタダにしようと思って得度しました。剃髪し、眉毛も剃り落としてオレンジ色の僧衣を纏えば、外見だけはサモンです。しかし不純な動機と我心の実態を思えば柔和なお顔の仏像が恐ろしい限りです。
「剃髪し朱色の僧衣を身にまとふ男は誰ぞ我なめり」
「ウガサ・ワンターミ・パンテー…解さねど誓文となへる六道男」
※「ウガサ・ワンターミ・パンテー」はバーリー語です。目の前には大きな黄金の仏像があり、その前には寺の高位の僧たちが4人、2人づつ向き合って合掌端座しています。バーリー語いっさいわかりませんがおそらく「汝~の戒を守るや否や」の問いに「守る」とでも問答していたのでしょう。バーリー語経文を前日に丸暗記していたのでした。
【このような感じの仏像でした】
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