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部屋の追い出し
ふぜいあるどぶ川堤ゆくほどに夫婦(めをと)寝をるはなんのけしきや
どぶ川の縁石畳家なるか家具のべふせるめをとあはれも
そもいかにかくあさましうなりけるやしづむる背子に妻のはべるも
※背子:夫のこと
【和歌集蛇足】もう15年ほど前だったと思いますが川崎市北部のターミナル町で見た光景です。今日日流行りの洒落た縁石でアレンジされたどぶ川沿いの道を行くほどに、いきなり出くわしました。夫、妻とも年は60前後か妻の方が年上に見えました。おそらく家賃滞納か何かで部屋を追い出されたのでしょう。川沿いに箪笥やら布団やら家具一式を広げてゴザの上で夫がふてくされたようにあお向けに寝転がっていました。血も涙もないような家主と不動産会社の仕業と見えたことでしたが、今日日どこでもやりかねません。しかしこの時はまだこの光景が私への掲示的なものであったとはまさか気づきませんでした…。
※蛇足の蛇足;思うのですが土地・家賃等の不労所得は現代社会の有機的な生産性を最も削ぐものであり、格差を恒常化させるものであり、今後政治による大幅な改正が必要ではないでしょうか。それに至る前でも「ホームレスは1人でも居させない」という国是が肝要です。彼の福祉先進国フィンランドではすべての国民に最低、住む部屋だけは国が補償しています。
【この写真は廃棄家具ですがこの様な家具類をどぶ川沿いの縁石に並べて、そこに敷いたゴザの上で夫婦が佇んでいたのです】
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