3人が本棚に入れています
本棚に追加
~以下二首、大阪釜ヶ崎の人々に身を奉げきった医師、矢島祥子さんを詠む。先達と慕えばこそ~
「蟻のまち愛の医師(くすし)のゐたまひき魔の殺めしが光いや増せり」
「クオバディスドミニ君慕はしや暁(あかつき)に復活しませさがため励む」
和歌集蛇足:「ガンはやさしい病気」と何かのエッセーで読んだ覚えがあります。なぜかと云うにガン(死)の宣告を受けてからまだ幾許かの時間が与えられるからです。猶予の思いは雲散霧消し、今までの自分の人生と向き合わざるを得なくなる。誰もです。その自覚と覚悟をガンは与えてくれるのでそう云われるのでしょう。私もそうでした。しかし幸運にも東海大付属病院で手術・治療を受けて俗世に復帰できました。カミユの「異邦人」が死刑を免れて放免になったようなものです。その折りの嬉しさと気概を歌集の「退院の…」に認めて生き直しを計ったのですが…。しかるに世の不条理は相も変わらず私を待ち受けて居(ストーカーどものことです)、カンダタこと私の足を離しません。幾そ度か数えもできぬうっ屈に沈み行くしかないのですが、しかし世の不条理と云えば上記紹介の矢島先生に起きた厄事ほど不条理なものはありません。先生が引かなかったように、私も引くことはできない。七転び…どころか七千転び八千起きであっても老兵行脚の転戦をし続けます。
※次回はしかし不条理へのうっ屈を現代短歌をまじえて一度詠みます。はた、理解を被る為か、自省を誘う為か、定かではありません…。
※次ページの写真は釜ヶ崎で住民たちを励ます矢島祥子先生のスナップです。ヤクザどもの貧困ビジネスを拒否したために先生は殺されたのでしょう。こんなことがあってもいいものでしょうか!?
最初のコメントを投稿しよう!