第十章 とりあえずムジカ・ピッコリーナ

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ふりさけば夜空ゆくだる星ひとつあらずそは迎へのピッコリーナ号 ※「ふりさく」:振り仰ぐ、遠くを見る 「ゆ」:~から ※私のいま住むところは団地の5階です。丹沢ふもとで夜景が一望できます。すばらしい眺めです。しかし部屋の中に入ればストーカーどもの毎夜毎時にわたる騒音立てと罵り声、身心ともに滅入ること甚だしい。夜空からピッコリーナ号でも降り立たないものでしょうか…思わず夜空を仰ぎ見ます。    キラキラとスターダストの音符降るこはにぎやかしムジカ・ピッコリーナ いざたまへピッコリーナよベランダへ我はもやこの世に住みたからず ※「もや」:強調と感嘆 暴かれて塞ぎ込んではユーチューブつければ晴るるムジカ・ピッコリーナ    あやしかる女神とぞ思ふ花乙女女子高生ルックなるがよろし ※「あやしかる」:「あやし」の連体形。「怪しい」の意味のほかに「神秘的な」という肯定的な意味もあります。ここではあやしく思うほど素晴らしいということです。 ※もちろんバンド全員での舞台ですが画竜点睛というか、彼女がいなければ…と想像してしまいます。バンドにとっても我々視聴者にとても「女神」ではないでしょうか。    歌姫はバイリンガルの女子高生魔法の国のアリスとも見ゆ    ただの娘(こ)と思ふものからアリーナはバイリンガルにロック!マシュケナダ! ※「ものから」:「だけれど」「かかわらず」    女神ならその表情(かお)づれにわれら皆一喜一憂すこや斉藤アリーナ ※「こや」:「これこそ」「これはなんとまあ」の意    才能はここに爆発ピッコリーナかはゆく美(は)しく快哉止まず 今様のヒーローなるは難からむにこは未曽有の藤井少年 ※「こは」:「これこそ」「これはなんとまあ」の意 ※快哉ついでに将棋の天才少年藤井七段を詠みました。評判倒れではなく真のヒーローとなるのにはどれほどの才能と努力が要ることでしょう。彼こそは現代の少年たちのまさしく憧れ、スーパースターなのに違いありません。 こはしたりうわさ違へぬ少年と森内九段清しく負くる ※元名人の森内九段が藤井少年との対戦で、剣道で云えば大上段にかまえてわざとスキを見せたように感じました。並の棋士ならここぞとばかり攻め込んでも返り討ちにあったことでしょう。しかし藤井少年は達人のその敢ての隙をも見事に粉砕しました。天才少年を愛でるような森内九段の眼…。
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