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さらに他者を詠む(2)
僧正であらぬ旅路の即身仏いかなおもひで払拭したまひしか
※旅の托鉢僧はもはや乞食遊行に疲れ果て、永遠の投宿をするが如くに即身仏を寺に申し出たという。
【暗い穴倉の中でどのような思いで一人亡くなって行ったのでしょうね?】
人形か母に手をつぐ女の童(めのわらわ)世の痴れ者のえたへで頭(ず)をなづ
※質屋で会った母子。男の子を背負い女の子を連れた若い母親。人形のように可愛い女の子は自分がどこにいるのか理解していない。そのあまりのいじらしさに…
神妙に老母の容体つげくれしヘルパーの娘(こ)に唯唯忸怩
塵にまよひ異邦人ともなりきれずママンの里へ繁くもなれず
※私の老母は現在老人ホームにいます。詳細は省きますが私には付いて離れない世の檻、しがらみ(ヤクザのストーカーども)がありまして、此奴らから執拗な睡眠妨害と諸々の生活妨害を受けるあまり、鬱屈して母を訪ねることもかないません。
※「異邦人ともなりきれず」とはカミユの小説「異邦人」の主人公と同じであると謳ったのです。もしくは異邦人の名に託した、やくざによる私への苛みから超越したいという願望もあるかな。
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