8年ぶりの再会

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 アパートは住人のプライバシーを考えてか、造りはマンションに近かった。  ドアの前には壁があり、表札などを道行く人が簡単に見られないようにしてある。  こういう造りであれば、雨の日などは楽だ。  それに部屋に入るところを、人に見られたくはない。  アパートの裏側はちょっと広い庭のようになっていて、垣根が中を見られないようにしてくれている。   おかげで人目を気にせず過ごせるところが気に入っていた。  仕事が忙しい分、あまり人とは接したくなかった。  人嫌いなワケじゃない。  ただ、必要以上の付き合いはしたくないだけ。  こう考えるようになったのは、いつの頃だったか…。 「…やめやめ。さっさと風呂入って、飯食って、酒飲んで寝よ」  月が見えないせいか、気分が落ち込み気味だ。  やっぱり街灯の光だけじゃ、気分までは照らされない。  カバンと、コンビニから買ってきた食料を入れたビニール袋を揺らしながら、肩を竦めた。  アパートが見えてきたので、スーツのポケットから家の鍵を取り出す。  俺の部屋は一階の角部屋。  いつものように向かうと、玄関の前で人影を見つけ、足を止めた。  この廊下には電球の明かりがあるが、しかし玄関にいる人物は、明かりの届かない場所にいて、影になってよく見えない。     
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