悪態

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 まあ放っておいても良かったんだが、やつら俺の顔の表面にある石を、手当たりしだい叩いたり壊したりし始めた。それで俺はちょっとムカっときて、ちょっと脅かしてやったんだ。なあに、ちょっと顔を震わしてやったとか、そんな程度の話さ。  そいつら途端にびっくりしてさ! あわてて豆粒みたいな乗り物の小さな入り口に、全員が殺到しやがった。ギューギュー詰めで入るわけがないよな。そのうち確か仲間から「ニッポンジン」とか呼ばれてたやつが怒って、わめいたんだよ。「お前ら! 俺がこの隊の隊長だぞ! さっさとどきやがれ、バカやろう!!」ってさ。  俺はその言葉がいたく気に入ってしまったらしくて、つい話に夢中になると、ポロっと出てしまうんだ。  何の話をしていたかな――  そうだ、ヤツの事だ。え、知らないのか? 星だよ! あの真っ青ないまいましい(まある)い玉っころ。いっつも青い海なんかのせてピカピカ輝きやがって。しかも雲まで引っ連れて、一緒にグルグル回ってな、服を見せびらかすみたいに、いっつも姿を変えやがる。俺に見せつけてるとしか思えねえよ、あのバカやろう。     
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