第1章 私の居場所

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春の柔らかい光が薄いカーテンから差し込む。 小鳥の鳴き声と柔らかい日差しで、6時のアラームより先に目が覚めた。初出勤の日だ。 青い屋根のお家。私の新しい居場所。そのお家の小さなキッチンでトーストを焼き、ミルクティーをいれる。 朝の情報番組を見て、占いの順位なんて気にしながらゆっくりと朝の時間を満喫してから玄関を出る。 「行ってきます」 誰も居ない、私の居場所に挨拶をして鍵をかけ、水色の小さな自転車で田んぼ道を走り出す。 青い空に薄く広がるうろこ雲が、緊張している私の背中を押してくれるのだ。
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