118人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
「ごめんなさい…」
『…は、意味わかんねえ。本気で…言ってんのかよ、それ?』
「……………」
『…何でだよ』
悲痛な彼の声に、引きちぎられそうになる私の心。
だけどその痛みを解放するために泣き叫ぶ事も出来ない…
『…理由は?』
「……………」
『俺が忙しすぎてお前に会いに行けないから?』
「…ちがう」
『お前を側で支えてあげられないから?』
「…ちが…うよ」
そんな事は初めから覚悟の上だった。
たとえ会いたい時に会えなくても、聞きたい時に声が聞けなくても、冬吾の存在はどんな時も私の心の支えであり未来でもあったから。
『…答えろよ…』
なのにごめんね…
こんなにも大切なあなたを傷つける事しか出来ない身勝手な私を
「………好きな人が…できたの。だから…ごめんなさい。…別れて…下さい」
恨んで、憎んで、嫌いになって
そして、どうか幸せになってーー
最初のコメントを投稿しよう!