プロローグ

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「ごめんなさい…」 『…は、意味わかんねえ。本気で…言ってんのかよ、それ?』 「……………」 『…何でだよ』 悲痛な彼の声に、引きちぎられそうになる私の心。 だけどその痛みを解放するために泣き叫ぶ事も出来ない… 『…理由は?』 「……………」 『俺が忙しすぎてお前に会いに行けないから?』 「…ちがう」 『お前を側で支えてあげられないから?』 「…ちが…うよ」 そんな事は初めから覚悟の上だった。 たとえ会いたい時に会えなくても、聞きたい時に声が聞けなくても、冬吾(とうご)の存在はどんな時も私の心の支えであり未来でもあったから。 『…答えろよ…』 なのにごめんね… こんなにも大切なあなたを傷つける事しか出来ない身勝手な私を 「………好きな人が…できたの。だから…ごめんなさい。…別れて…下さい」 恨んで、憎んで、嫌いになって そして、どうか幸せになってーー
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