マクトゥーブ

11/13
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
すると結果はこうだ。 結構な時間はかかったものの、私の願いは本を卸している『取次』にまで伝わったらしく「とある本屋にそれらしいものがある」と出版社を通じて連絡が入って来た。 なんでもその本屋には、店の奥に貴重な本がコレクションされていて、私の探しているものもその中にあると言うのだ。 携帯電話を握りしめ、震える指で、私は教えられた電話番号を押してみた。 本屋の店主は女性だった。声から察するに、おそらく年齢は私と大差がないだろう。 その女店主は、私の小説の愛読者で、先のコラムも拝読済みとの事。「ならば話は早い!」と思ったのだが、先方はこう返してきた。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!