マクトゥーブ

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第漆章 しかし、私は年老いた。 もう時間がない。 あの世に行く前に、あの本の結末を、そろそろ知ってもいいだろう。 もしかすると、あれから私の人生について回る喪失感や、探していた人生の欠けたピースが、そこには書かれているかもしれない。 そんな都合のいい希望を抱いて、私はもう一度「マクトゥーブ」と呟いてみたのだった。 マクトゥーブ・・・たしか、「全ては同じ神の手によって書かれている」そんな意味だった事を思い出した。 神様って作家は、ずいぶんと遠回しに伏線を張り、もったいぶって回収するのが好きなのかもしれない・・・。 そうなのかな・・・? いや、そうかもしれない。 そうだ、やるだけの事はやってみよう!
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