脚本 1話目

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バーコードグローブの販売は許可制で、認可店しか販売できない。ソロモン町では芹沢玩具店しか認可店がなく、その上、店主の芹沢はグローブの調整や修理までできるため、近所の子ども達からは博士と呼ばれ慕われている。 「そう!そう!俺もようやくバーコードグローブが持てるんだ!」 勢い込む爽太に、はたきを持ち、エプロン姿の加奈は冷ややかな目を向ける。 「だからって、何もこんな朝早くから来なくたって……。」 爽太と加奈、2人が喧嘩になりそうな雰囲気を芹沢が止める。 「それで?爽太くんはどのグローブにするのかな?」 カウンターのガラスケースの中には、数種類のグローブが飾ってある。 「俺ね、ずっと前から決めてんだ!」 そう言って、爽太はケースの真ん中に鎮座したグローブを指差す。 「この赤いやつ!」 「了解。それじゃあ、調整するから腕を出して」 「これでよしと!」 芹沢がカウンターに置かれたパソコン画面にキーボードで何かを入力し、椅子をくるりと回して爽太の方を向く。 「グローブの中に爽太くんの個人データを入力したから、すぐに使えるよ」 パソコンとグローブを繋ぐ配線わテキパキと外しながら、芹沢が言う。 「ありがとう!博士!」 駆け出して店を出て行こうとする爽太に、焦る芹沢。 「まだ、グローブの使い方の講習が……。」 「使い方は使いながら覚えるよ!」 そう言って店を出て行く爽太を、見送る芹沢親子。     
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