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場面が変わって、近所の公園。広い公園なのだが、遊具は滑り台とブランコだけで、あとはグラウンドとなっている。グラウンドの中央には子どもの腰くらいの高さの円形の柱が立っている。
公園に集まったのは、爽太を含めた同級生10人ほど。その中には、加奈の姿もある。
「爽太!ようやくグローブ買ったのか!」
その中の1人の男子が、爽太のグローブを手に取って眺める。それを見て、誇らし気な爽太。
「まぁな!これで俺も、皆んなと一緒にサッカーができるぜ!」
そう言って笑う爽太に、加奈が言う。
「ちょっと、その前にグローブの使い方の講習がまだでしょ?」
加奈は父親に言われて、爽太にグローブの使用法を教えるために付いて来ていた。
「大丈夫だよ!皆んな使い方見てて覚えたから!」
爽太はそう言うと、男子たちの中心に立つ。
「よっしゃあ!それじゃあ、やるぞ!」
加奈以外の男子が、公園に設置された柱、その柱の上部にあるQRコードに、グローブを付けた手をかざす。
すると、男子たちの掛けたゴーグルを通して、美人の案内人が何もない空中に浮かび上がる。
『ソロモン公園へようこそ』
「おー!」
感動する爽太。何度か自身のゴーグルを付けたり外したりを繰り返し、空中にいる女性が立体映像だということを確認する。
『ソロモン公園では、野球、サッカー、ラグビー、ドッチボールが楽しめます』
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