脚本 1話目

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案内人のガイドに従って、サッカーを選択する一同。さらに細かいルール設定の画面に入る。 加奈はそんな男子たちの様子を、少し離れたベンチでつまらなそうに眺めている。 『こちらのルールでプレイを開始します。よろしければOKをタッチして下さい」 爽太は空中に表示された、OKをタッチする。すると、公園のグラウンドだった場所が一転、国立競技場のピッチに早がりしている。それまで砂だったグラウンドが芝になり、グラウンドの端と端にゴールとキーパーが出現する。辺りを見回すと、満員のサポーターで埋まった観客席が見える。これらの全てがゴーグルを通して見ることのできるバーチャルリアリティである。 最後にセンターラインにサッカーボールが出現する。このボールさえも本物ではない。 どこからともなく鳴った、ホイッスルの音でキックオフし、試合が始まる。 試合開始直後から、爽太は積極的にドリブルで 敵陣に切り込み、ゴールを狙う。 軽やかに敵ディフェンダーをかいくぐり、シュートする。爽太がボールを蹴るとボールに派手なエフェクトが掛かる。ルール設定の時に、『スペシャルサッカーモード』を選択すると、このような演出を楽しめる。 それはまるで、アニメやゲームのように、ボール全体が電撃を纏い、ゴールに向かって一直線に飛んでいく。     
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