第二章 距離

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「そう何度も探されたら困る。その度に、トラブルに巻き込まれそうだし」 それはないと思うが、二度も助けられている身としては否定できない。 「じゃあ、教えてください」 「んー、たまたま光里さんが呼ばれたのを見たことがあるだけだよ」 そうして、にこりと微笑んだのを見て、すぐに壁を作られたのだと思った。 もしかしたら、この人に気を許してもらうのは、とてつもなく困難なことなのかもしれない。 一見気安く、人当たりがいいようで、絶対に懐に人を入れないという雰囲気を感じる。 これでも、私は人を見る目があると思っている。 だからこそ、前回の直感を放っておけなかったし、今日会って、ますます放っておけなくなった。 ここは、しつこく聞くのをやめておこう。今は、繋がりを作った方が賢明だろう。
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