第二章 距離

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少し離れたところに立っていたのは、これまた恐ろしく顔が整った男性。 モデルかアイドルでもやっていそうな華やかさと存在感は、派手な街の中でも異質なほど目立っている。 かっこいい男性にはかっこいい男性が集まるのだろうか。そんなことを考えている間に、その男性は私達の近くまで来ていた。 「お前、こんなところで何してるんだよ」 「ミツルさん……」 「あっ! 奏さんって言うんだ!」 偶然にも知り得た情報に、思わず声を上げていた。 すると、ミツルと呼ばれた男性は私に視線を移して、やけに食い入るように見つめてくるものだから、少々居心地が悪い。 「ふぅん」 「ミツルさん」 「まあ、いいや。一時間やるよ」 ミツルはそう言って、ニヤッと笑い、奏の肩を叩いた。
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