大いなる眠り

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 何でこんなところにサキがいるんだ?  裏取引?  車の中で梨央はサキを問い詰めるが口を割らず、サキは梨央を抱きしめてきた。  「友達でしょ?助けてよ」  サキを自宅に送るが、柿崎ファミリーが襲いかかってきた。 「これ以上、クビを突っ込んだらおまえであろうと許さない!」  柿崎は梨央に人差し指を突きつけ、強い口調で言った。  その様子を見ていた濱田空の子分、市川が「山崎の居場所を教えるから2000万よこせ」と、柿崎を脅してきた。 「きゃあ、怖いなぁ」  怯えるフリをしてホルスターから銃を抜いた。  市川は両手を挙げた。 「おまえどことなくダウンタウンの松本に似てるなぁ?助けてやるよ?3つ数えろ」 「ヒィッ!許してくれぇ!」  市川は目をキツく閉じて「イッ、イッ、イチ」と震えながら言った。  何としてでも市川を助けなきゃ!  だが、体が動かなかった。 「ニッ、ニッ、ニッ、ニィ」  柿崎は昔は優しかった。校庭にケガをした野良猫がやって来た。柿崎は保健室から持ってきた薬や包帯で猫を手当してあげた。  何でこんな風に変わってしまったのか? 「サッ、サッ、サッ、サッ、サン」  柿崎が撃鉄を上げて微笑んだ。 「ウワッ、ウワッ、ウワーッ!」  ドンッ!    
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