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「リョウスケ君。わたし、るみよ」
彼女はそう名乗った。
嘘だろ。
あまりの別人さに、僕は唖然とした。
目の前にいるのは、青白く浮腫んだような顔に目は細長い一重。
髪はセミロングであったが、長く櫛を通していないようなボサボサで絡みついていた。
写真とはまるで違う人物だった。
彼女は僕の右手を手に取り、
「会えて嬉しい」
と言いながら笑った。
その時逃げ出していたら、あんなことにはなっていなかったかもしれない。
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