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深海side
寝た…な。
腕の中で眠るのは今日拾った猫。
小さく軽く,外見も綺麗。頭もいい。
瞬「…シン,お前ほんとに育てるつもりか?戸籍自体何も分からないこいつを。生半可な気持ちじゃあこの子が可愛そうだ」
深海「生半可な気持ち…ねぇ?」
麗「シンさんはなんでまた子供なんて拾ってきたんっすか?しかもただの子供と違って相当なワケありッスよね?」
ワケあり。
"3歳の時から今の今まで何の問題もなかったからね"そう猫は言った。そしてこいつは今10歳。
店の中にはいつの間にか客がいなくなっている。
金は机の上に置いて…。まぁ俺らが3人集まると自然的にそうなるけどな。
深海「俺はね~知っての通り面白いことが好きな性格なわけよ~。"森山遥"って書いたらきっと誰でも"もりやまはるか"と読むでしょ~ね」
麗「?…ッ!!まさか…」
深海「多分そのまさか…だから拾ったんだよ」
瞬「確かにこんな綺麗な黒髪と黒真珠の目なんてそうそういないからな。これは一種の呪いみたいなもんだ。その家に生まれたというな」
そう言いながら瞬は猫の髪を撫でる。
ストレートな黒髪は光に照らされキラキラと輝いている。
深海「今は記憶がないみたいでよ~。3歳以降のな。もし思い出した時のために猫って俺は呼んどこーと思ってね~。それに猫ってこのBARにピッタリでしょうに黒猫は」
ククっと笑い2人を見る。
不満そうな顔してんね~。
まぁ不満があろうがなかろうが俺が言ったことは決定事項だ。
麗「そんな適当な…」
深海「適当…ね」
猫が徐々にズレてきていたので赤ん坊によくやるように1度抱き直す。
その際「んっ…」と猫は声を出し眉間にしわを寄せ俺に擦り寄る。
抱っこしていない方の手で頭を撫で手を添えたままおでこにキスを落とす。
そうすれば眉間のしわも取れまた規則正しい寝息が聞こえた。
浅い眠りは疲れが取れない。
10歳の猫は少し深い眠りをした方がいいんじゃないかと思う。
瞬「…ロリコン」
深海「ちょい待て瞬くん酷いんじゃね~の,ロリコンじゃね~よ?可愛いわが子にキスを落とすくらい普通でしょ~に」
瞬「チッ,めんどくさい」
酷いね~
めんどくさいなんて。
深海「まぁ俺は━━━━━━━━━━━━━…」
一人ぼっちの黒猫は3度目の家族を手に入れました。
本当の正体も知らず3人と黒猫の日々はあっという間に2年が過ぎました。
また上がり出す物語の幕。終わりは
〜Happy End〜?~Batto End~?
答えは全て猫の中。
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