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«カランコロン»
遥「いらっしゃいま…瞬さん!!麗!!」
瞬「遥,久しぶりだな」
遥「最近全然来なかったから心配したよ?何かあったの?」
麗「まぁ少しだけね。気にする事はないから!!」
少し…。
何かあったんだ。
瞬「お前が心配することは無いから安心しろ」
そういい瞬さんは僕の頭をぽんぽんと軽く撫でる。
「ほんと?」と聞けば「ほんとだ」っと言うのでこれ以上詮索しないようにした。
深海「ちょっと~うちの猫に手出さないでちょ~だいよ~」
カウンターから乗り出し瞬さんの手を指さす。
手出さないでって頭撫でられただけなのに……。
遥「ふふ,親バカだねシンは」
深海「そりゃな~,可愛いお前に何かあったら嫌じゃね~か」
遥「大丈夫だよ?というか2人が来たってことはもうお店閉めるんだよね?僕外にゴミでも捨ててくるからシンはそこの食器しまっといてくれる?」
深海「はいよ~,変な人に声かけられても付いて行くなよ~。そーゆー時は叫べよ~?」
ちょっと裏口から出た2,3分のとこにあるゴミ捨て場に行くだけなのに過保護すぎる。
遥「ふふ、はぁい。あっ2人ともここにいつもの置いとくね?」
瞬「あぁ」
麗「ありがとうね」
遥「じゃあ行ってくる」
そう言ってお店の裏に行きゴミをまとめて裏口から出た。ゴミ袋を2つ抱えて。
遥「ん,寒いな…やっぱりこの時期は冷える。」
外を歩きながらそう呟く。今は12月。
繁華街はクリスマスの雰囲気でネオンが光っていた。
遥「よいしょっと…」
ゴミを置きき来た道を帰る。
ここに来て2年かぁ…。もう12になる。
あの日以来髪を切っていない。前髪は定期的に切っているけど後ろは伸びている。
腰まである長い髪をいつもひとつにくくっている。
この2年で1人が極端に苦手になった。
早く帰ろ。足を早めたその時だった。
«バチッ»
遥「うっ!!……」
首に電気が走った。
力が抜けその場に倒れる。
薄れゆく意識の中見えたのは1人の若い男だった。
遥「ん…」
どれくらい気を失っていたんだろう。
ふと目が覚めると知らない部屋のベットの上にいた。
部屋の中には他に誰もいない。
遥「…」
手首と足首には鎖が付いておりベットへと繋がっている。自分の髪の毛からいつもと違う匂いがする。そして元来ていた服とは違う自分より遥かに大きい服1枚だけを着ている。
下着はない。
窓のない部屋。時計もない。
今何時だ?ここはどこ?あれからどれくらいたった?
だんだん意識がはっきりしてくると疑問がぐるぐると頭の中を支配する。
«ガチャ»
遥「ッッ」
「あぁ起きたんだね?良かったよ。全然起きないから心配したんだよ?」
見知らぬ男。
BARでも見たことがない。
遥「心配…ねぇ。心配してるんだったら冬にTシャツ1枚でベッドに鎖を繋ぎますか普通…」
「はは,そうだね。ごめんね君サイズの服がないからとりあえず私のを着させたんだよ。」
遥「…あなたは誰ですか」
健吾「私は健吾という。宜しくね?森山遥くん」
健吾…聞き覚えはない。
というかなぜ僕の名前を知っているんだ。
遥「僕,帰りたいんですけど」
健吾「返すわけないでしょ?これから僕が君で楽しむんだからさ」
遥「たの…し…む?」
健吾「そぅ,君は大人しく僕に抱かれればいい」
遥「ッッ」
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