1話

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『彼女が寝る時もあなたを精一杯癒します』 この一文で僕はメロメロだ。どのように癒してくれるのかもあまりピンときていないが、そんなことはどうでも良い。 僕が購入した布団の名前は『MICHIRU(ミチル)』。さすが彼女系AI、布団とはいえ名前は女の子だ。他にも複数の女の子が選べたのだが、今回はちょっと強気だけど誰よりも優しいというこの子に決めた。僕はどちらかというと甘々でベタベタな彼女より、ツンデレチックな彼女の方が自分の時間を確保できるから好きだ。見た目は絶対正義のショートボブにちょっとつり目、胸はほどほどで身長は僕よりちょっと低いくらいにした。 まぁ 相手は布団なんだけどね!! 届いた荷物は思ったより大きい。高鳴る胸を押さえながら開封の儀を執り行う。 「うわぁ」正直まだ全貌は見れていないが、とりあえず言ってみた。 中に入っていたのは大きなマットレス、薄っぺらい説明書、そして布団だった。 あれ、布団やマットレスのどこにも女の子のイラストが入っていない。抱き枕カバーに大きな女の子のイラストが入っていたりしているのをよく見かけるから、この布団にもデカデカと書いてあると思っていた。説明書を読みながらとりあえずセッティングしてみる。     
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