再会……彼の正体

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再会……彼の正体

 ある水曜日の昼下がり、仕事中であるロニー以外の六人は通りを歩いていた。ロニーは遠方で行われる音楽ツアーに同行してしばらく留守だ。 「グロスター。今日、店は開いているのか?」 「うん、顔なじみの人から予約が入ってね。父さん一人で大丈夫って言っていたから店は開けてあるんだ」  ジャンの問いに、グロスターが答えた。 「そう言えば、腹減ったよなぁ」エタンダールが呟いた時、一人の男が近づいて来た。 「コンニチハ」  男はウィルマの目の前に立って微笑んでいた。 「あれ、貴方はこの前の……」  ウィルマは、ニコニコしている赤毛の男を指さした。 「カワイイ、カノジョ。また会いましたね。ネコ元気ですか」 「うん、しばらくはあたしが飼う事になったんだ」 「ソウデスか」 「ウィルマ、知り合いか?」  ジャンが怪しげに男を見る。 「うん、ちょっとね」 「もしかしてウィルマ、この人が誰か知っているの?」  驚いたようにグロスターが聞いた。 「外国の人でしょ。確か、ええと、ピカタ王国からの旅行者」  素っ気なく答えるウィルマに、グロスターは「違うよ!」と声をあげた。 「あ、あのね、この人は王子だよ! ピカタ王国の王子だよ。僕、新聞で見たことあるよ」 『王子?』  思いもかけないグロスターの言葉に全員の声が重なった。 「ハイ、わたしは王子です。ナマエはパップとイイマス」  寝癖の付いた赤毛を掻きながら、男は恥ずかしそうに頷いた。 「ここで立ち話もあれだから僕のお店で話そうよ」  興奮気味のグロスターの提案で、みんなは彼が勤めるレストラン、デリシャス・ケルンに向かう事にした。
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