そして帰国。

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そして帰国。

 みんなが帰った後、ここはホテルの一室。パップは誰かと電話をしている。彼はいつものカタコトではなく、流暢な口調で話していた。 「天誅の徒、結局正体は分かりませんでした。例の話ができないのは仕方ないですね。約束ですから。王子とは言え、諜報機関で勤務経験のある私が、この国で色々探って、天誅の徒が何者か突き止めれば……ええ、……そうでしたよね。インフラ整備、外貨の取引、色々と魅力的なお話だったので残念です。これからの事は父と相談します。また何かありましたらお願いします。ティベッツさん」  電話を切ったパップは、厳しい表情でフッと息を吐く。 「Hey Come here」  パップの掛け声で、部屋のあちらこちらから男達が現れた。ある者は天井裏から、別の者は浴室の換気口から、入口のドアからと現れた黒い影、総勢五名の男達はパップの前に横一列に整列する。 「今回の件は中止だ。出国の準備をしろ」 「はい」  男の一人が短く返事すると、あっという間に部屋から姿を消した。 「ミンナ、とてもイイ人でした」カタコトの喋り方でパップは呟いた。
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