次のターゲット

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次のターゲット

 水曜日、ハイドアウトにはみんなが集まっていた。ウィルマの膝の上には子猫のカトリーナがいる。飼うのはダメだと言っていたジャンも、本当は猫好きなのか時々、カトリーナにちょっかいを出してウィルマに怒られていた。 「次のタスクだが、ターゲットの名前は『ホルスト=カーミット』。こいつもRAGの一員だ。表向き人は善良な投資家だが、実際は高利貸しだ。こいつのせいで全財産を失った人は多い」  ジャンがカーミットの写真を机の上に置いた。写真に写るカーミットは、人当たりのよさそうなどこにでもいる感じの人だった。  「こいつは親切顔で困った人に近づいて金を貸す。そしてその人達から高い金利を取り、払えなくなると全財産を奪い取る。他にも金儲けのためなら手段は選ばない」  みんながカーミットの写真を確認するとジャンは続けた。 「まずは『レコノイター』だ。お金儲けには目がないカーミットに俺とミュロが近づく。そのコンセプトだが」 「コンセプト? 今までコンセプトなんて無かったじゃない」  ミュロは訝しげにジャンを見る。 「今回のコンセプトは若手金持ち社長と美人秘書だ」 ジャンはどうだと言わんばかりに声を張り上げた。 『……?』全員の目が点になった。 「ぷっ」  ミュロとエタンダールは吹き出している。 「まぁ二人とも派手な外見だし、成金社長という役はジャンにぴったりだね」  にこやかに話すグロスターに、成金社長と呼ばれたジャンは軽くショックを受けていた。 「確かに二人ともそのままでいけるとは思うけどさ。何度も出入りして、カーミットに顔を覚えられたらタスクがやりにくいよ」  大丈夫かなぁとウィルマが呟く。 「ああ、それは大丈夫だ。なぁミュロ」  ジャンはミュロに視線を移した。 「ええ、まかせておいて。私の得意なメイクで顔は微妙に変えるから」  ミュロは自信に溢れた顔で微笑んだ。
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