あの日見た空が一番だと思ってた

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「大丈夫です もう、大丈夫です」 滝田さんに言いながら 自分にも言い聞かせてた 「無理しなくていいよ」 「ううん、逃げたくないから」 「無理だと思ったら言うんだよ」 「お料理楽しみ」 「うん」 大丈夫…大丈夫 席も少し離れてるし 食事も美味しくて 楽しく過ごせてる デザートも運ばれて 滝田さんとの話も盛り上がってたのに 「真子」 名前を呼ばれて 息が苦しかった 大丈夫…大丈夫… 私達の席の横に立ち 私の名前を呼んだその人を見上げた 「久しぶり、亜沙美」 「聞いたよ 信也と別れてすぐに彼氏出来たんだってね ってか、そっちも二股だったんじゃん」 なに言ってんのこの人は 「罪悪感とか持ってたのにバカみたい」 「罪悪感とかあったんだ」 心が冷えていく 「あれ、妊娠してるんだよね お腹、全然目立たないね」 「…」 「あ、嘘だったんだよね そこまでして欲しかったんだ、私の男が」   「ちがっ…信也から誘って」 「知ってる? あんたが妊娠してないってわかってさ 結婚が延期になった時 信也、やっぱり私が好きだって 私の家まで押しかけて来たんだよ」 「嘘よ…」 「そんな嘘言わないわよ 私になんのメリットもないのに 手に入れたかった男と結婚出来て良かったね 誰かに取られないようにしなよ」 心が凍りついてしまった
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