あの日見た空が一番だと思ってた

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「俺だって、黒い感情は持ってる 下心があるのに浜野さんの前では隠して いい人ぶって距離を縮めようとしてるし 浜野さんに頼られたあの日だって 心の中じゃ、今ならイケるんじゃないかとか そんな思いを持ってるんだよ」 「そうなんだ」 「あ…いや…」 やっぱり面白い人だな 隠してたのに言っちゃうなんて バカ正直 でも… 「誰でも心の中に黒い感情があるって言いたくて」 「滝田さんはちゃんと隠せてたよ 私は隠しきれかった」 「じゃ、俺も隠さない」 掴まれたままだった手を引かれて抱きしめられた 「弱ってるからイケると思ってる」 わざわざ言っちゃうんだ 「キスして一気に迫ろうと思ってる」 また言っちゃうんだ 「キスして…」 嘘ばっかり 無理矢理なんてしないじゃん 「ありがとう」 滝田さんは凍りついた私の心を 簡単に溶かしちゃった 「ねえ、空見て」 キスする寸前で止まってるこの状態で 言われるままに空を見上げる滝田さん 私も一緒に空を見上げた
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