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彼は行為をしたいのではなく、彼女に恋しているのだという自覚があった。彼女が相手なら手をつなぐだけでも嬉しいと思った。恋とはこういうことなのか。彼はやっとわかった。
キスとか行為とかよりもっと大切なことがあると思った。
彼女の姿を見た時に衝撃を感じたのを思い出した。何だったのかその時はわからあかった。でも今はわかる。人の生活の一部分なのだ。人生の一部分なのだ。これからまだ人生は続くのだ。これからも生きていかなければならないのだ。
夜LINEを確認した。彼女から送られている。
「一緒にいられるだけで幸せです」
と、彼女からのLINEに書き込まれていた。可愛い女の子。
こんな女の子もいるのだ。こういうことがわかった。彼は千恵子に対する感情をうまく理解できなかった。でも徐々に理解し始めた。彼は気が付くと眠っていた。早朝にトイレに起きてまたすぐに眠り始めた。
朝起きてカーテンを開けるとカラスが鳴いていた。雀はもっと早くに鳴いていたようだったな。そんなことを思いながらうがいをして顔を洗った。
親は後から起きてきた。朝食をした。こんな日常が良いものだと彼は思った。
何事も焦りは禁物。そう思った。彼は恋も、受験も、家族との生活も、人生も焦ってはいけないと思った。そんなことを考えていたら脳がすうっと涼しく感じた。何なんだ。この感じは。恋をしてから不思議なことが起きるようになった。何故かな。
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