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「大丈夫。平気だよ」
彼女は笑顔になった。
二人で学校のことや、これまでの人生に関することなどを話した。てつやは女の子とは、意思を持った一人の人類なのだと思った。千恵子は可愛いと今さらながら彼は思った。
「暑いね」
彼女はそう声をかけた。しばらく休んでゆっくり下山した。
てつやは、千恵子の尻を見ることになってしまうと思い、後ろを歩くのがいけないことのように思えた。千恵子の前を歩いた。
「よそ見するなよ。蛇がいるぞ」
てつやは声をかけた。
下山は楽だった。駅に着くと彼女は笑顔になった。
「また来よう」
千恵子は笑顔になって声をかけてきた。彼も笑顔になっているらしいと分かった。頬にゆるみを感じたからだった。彼女とすることは初めてのことばかりだった。
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