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翌日の昼に彼女の父親が迎えに来たようだ。彼女の名前を思い出した。遠藤千恵子だった。病院の玄関から出て父親の運転する高級車に千恵子は乗って帰って行った。別れ際に彼女は笑顔で「また会おうね」と後部座席から手を振った。歩いて自宅に帰ることにした。歩きながらまたビルの上から女の子が降ってくるんじゃないかと思った。でも千恵子は何が理由でビルから飛び降りたのだろう。あんなに良い親がいて高校の学費を払えるのだからそんなに経済的に困っている訳ではないだろう。あんな高級車に乗って迎えに来る親がいる。彼女に悩みがあるとすればなんだ。彼は不思議だと思った。
その日は土曜日なので学校には行かずに自宅で勉強した。彼は大学に進学したいがあまり自信がないのだ。でも学校で補習をやってもらえるし良い学校に通っていると彼は思った。勉強をしていると高校入学直後の試験で学年三位となったことを彼は思い出した。
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