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病院に移されました。「娘が聴覚過敏なんて何かの間違いだ。怠けてできないことを全部病気のせいにして、今以上に甘えようとしてる」って母の考えに賛同してくれる先生だったからです』
最初の心療内科の先生は、母が無理矢理円を転院させる直前まで、ずっと円に親身にしてくれた。そして「絶対に家を出なさい。こんな過酷な状況で、今まで生きてきたあなたなら絶対にできる」と言い続けた。円と同じ症状に苦しむ人達が集う、フェイスブックのチャットサークルを紹介してくれた。このサークル1つしかないのかと円が聞くと、「聴覚過敏は、最近認知されたばかりの障害なの。だから他のメジャーな障害よりピアカウンセリングや自助グループの数が凄く少ないんだよね。聴覚過敏について書かれた本も、私が知る限り日本語のものは一冊しか無いし…」と、先生は悲しそうに呟いていた。自分は世界に認知されていない、同じ仲間を求めることすら許されない存在なんだと、円はその時悟った。
『転院させられる前、院長先生は大急ぎで診断書を書いてくれてました。父と私はそれを持って高校に行きました。「こういう診断が出たから耳栓やイヤホンの使用を許可してほしい。音で気分
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