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にティッシュを敷いて載せた。
「今日知り合った人。電車で会った」
「なに??前から知ってるんじゃなくて、今日初めて会ったのか?」
「うん」
「全くの赤の他人か?同じ学校の卒業生とかでもなく?」
「うん。ちょっと困ったことがあったみたいだから助けてあげたらすげー感謝されてさ、いつかお礼したいからLINE交換してくださいって」
ぴくりと父の眉毛が心配そうな形になった。父は人から親切にされたり感謝されたりしたら、まず裏にある悪意や下心を疑う。それは父の子供時代の生育環境が影響しているに違いない。
「お前それは…、わざと困ったふりをして、心配して声をかけてきた女子高生の個人情報を聞き出してストーカーする奴とかじゃないのか。この前そんな事件があったし」
「心配しないで。女の人だよ」
「女でもなあ」
「耳聞こえない人だよ」
え、と素っ頓狂な声を父が上げる。
「フリじゃないよ。補聴器してたし障害者手帳も持ってる本物。それで困ってて」
「はあ。ああ、そうか。なら大丈夫か」
ふと父は馬鹿なのかと思う。障害者というカテゴリに入った人は、全てが父の妹のように、悪意も下心もない人間ばかりだと思っているのだろうか。目の前
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