聞こえないあなたに、この辛さが分かる?

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い。だから先生の口頭の指示を聞き逃すし、休み時間のみんなのお喋りのうるささに耐えきれずに、図書室まで避難して行ったこともありました。一度そのことで、三者面談で両親と担任と話し合ったことがあるんです。けど、私がいくら「音が気になる」と訴えても、「その程度の音、みんな我慢してる。勉強をサボるための言い訳だろう」って、また叱られて。その頃私は、他の人も自分と同じように聞こえてるって信じてましたから、その言葉を真に受けてしまいました。他の人たちもこんな騒音の中、頑張って授業を受けてるんだ。自分だけ怠けるわけにはいかないと、徹夜で自主勉強することにしました。昼間、学校の騒音に晒され続けて、家に帰った時にはもうクタクタでしたけど、それでも手のひらにピンを指して眠気を飛ばして、必死で勉強してました』 辛いとかしんどいとか、円は自分の負の感情は、できるだけ隠すようにして生きてきた。そうでないと、このくらいでと罵られたり、骨折した脚を蹴るかの如くさらに執拗に攻撃を受けたりと、とにかく碌な目に合わないからだ。 なのに、なんで私は初対面の人に感情を晒け出してるんだろう? 『それと、小さい音でも、鉛筆のコツコ
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