第5章 壊れた女医の治し方

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だって彼はまじめに一人の女性と付き合ったり大切にできる男じゃないことはよく分かってるし。 セフレにならない?ってしてる最中にささやいてきたし。 これ以上に彼の体が与える快感から離れられなくされたら、、、。 それこそほんとにこわい。 彼とはもう二度と会わないようにするしかないんじゃない? snsもブロックして、携帯もメールも電話もLINEもブロックして、 彼の目に私が一切見えないようにすればいいよ。 なんでも真面目に、きちんと計画を立てて、計画通りに最大限努力してとても無理して頑張って精一杯努力して生きて来たのに。 優等生の鉄仮面ロボットのわたしの精神の支柱のすべてがガラガラと音を立てて崩れさっていった。 プチッと私の中のなにかがあの時、切れてしまったんだ。 病院に行けば あいつがいるからもう一切顔を合わせない方がいいだろう。 少し、仕事を休んで。 こんな時は自分自身に優しくしなきゃ。 安月給だからあんまり貯金やお金はないけど このロボットみたいなサラリーマン的なひたすらルーティーン生活を変えないといけない気がしてきた。 大学卒業旅行からずっと頭の片隅にあったヨーロッパに住むという夢にチャレンジする時はむしろ今なんじゃないかな。 今はドイツに知り合いの医者がいる。 少しおためしに旅でもして。気持ちが楽になってきたら。 あの医師に会いに行ってみよう。 共同研究ってことで 知り合いの医師の大学でも 紹介して貰おう。 なにか職をみつけるチャンスがフリーランスの働き方が多様なヨーロッパなら私の居場所があるかもしれない。
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