掌と月

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掌と月

月の裏側は地球から見えないらしい。 そんな話を小学生のとき理科の授業で聞いた。地球と月の自転と公転が……とかなんとか言っていたような気がするけど、貧弱なあたしの脳味噌では理解できなかった。その時はまだどうして雲を触らないのかもわからない年齢だったから仕方がないような気もする。 小さい頃は、雲は綿菓子みたいにできているとか、雷が鳴ると鬼におへそを取られるから隠さなきゃいけないだとか、虹の始まりには宝物が埋まっているだとか、そんな今となっては馬鹿みたいな迷信を本気で信じていた。 でも今でも思ったりはする。流れ星に祈ったら願いが叶えばいいな、なんて。
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