4人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
2
「話したいことがあるの」
そう言った彼女は、二時間待っても約束の場所に来なかった。諦めて帰ろうかと思ったとき、携帯電話が鳴った。画面に表示されているのは、彼女の母の名前だ。嫌な予感がする。急に胸のあたりに苦しさをおぼえながら、聡介は電話に出た。
「たいへん、由香が事故に遭ったの。すぐに病院に来て」
急いで駆けつけると、病室の白い空間にベッドがひとつ。その上で、彼女は何本もの管につながれて横たわっていた。
最初のコメントを投稿しよう!