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いよいよ彼女のスケッチに移る。
最初よりは背筋が伸び、顔が見えるようになったのが救いだった。
描き始めてから少しした後気付いたことが一つ。 彼女の顔を見入ってしまい手が止まってしまうことだ。
段々と集中力は切れていき、彼女のことが気になり始めてしまった。
気温は夕方に近づくにつれぐんぐんと下がっているのに、僕の顔や体はどんどん熱くなってゆく。
自分の鼓動が嘘みたいに強く大きく聞こえる。
筋の通った鼻、ほおに影を落とす長い睫毛、陶器のようなつやつやとした肌に、風が吹くごとに揺れる柔らかいセミロング。
彼女の持つそれら全てが僕を魅了させて離さない。
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