気づく大切さ

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「ずっとこうしたかった」 家にはいってすぐにあたしのことをぎゅっと抱き締める。 「うん、あたしも」 「距離があるとさ、なんにも出来ねぇのな」 「うん……」 「最初は電話も新鮮でよかったんだけど、おわったあとに必ず、キスしたい……抱きたい……近くにいたいって寂しさばっか浮かんでくんだよ」 竜くんの気持ちは痛いほど伝わってきた。 あたしも同じ気持ちだったから。 「うん、電話のあと必ず竜くんに触れたくなった」 こう思うのは変なのかなって思ってた。 でも、そんな思いはあたしだけじゃなかった。 ふたりとも同じ気持ちだったんだ。 「やっぱり近くが一番……だよな」 すごく優しくあたしに触れる。 あたしの存在をたしかめるように、そっと。 「うん……今こうして一緒に入れることが嬉しい」 「来月の中旬には終わるから……それまでの分、今日はちょうだい。たくさん茜をちょうだい」 恥ずかしくなるようなセリフにも今日は素直に頷けた。 「たくさん!たくさん、竜くんを感じたい!」 竜くんの首に手を回せば、竜くんからたくさんの愛をもらえた。 1度離れたからこそ、わかる。 相手の存在の大切さ。 近くにいることの幸せ。 これからもこの経験を忘れないで、お互いを大切にしていこうね。
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