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(俺のことなのにあんなに真剣に考えてくれてる、、、)
眉を少し寄せ、真剣に本を選ぶその顔はとてもキレイで凛月は思わず見とれてしまった。
キリッとした切れ長の瞳は、笑うと目尻に皺が寄り、人懐っこさを感じさせる。鼻筋もスっと通っており、完璧な高さだ。薄めの唇は薄紅色で、チラッと覗く紅い舌がとても扇情的だった。祖父がイギリス人だと言う彼は、色素の薄いふわふわの髪とグレーの瞳を持っていて、女ウケは間違い無しだった。
(キレイな顔をしてるとは思ってたけど、、、間近で見るとすごいな、、、ん、また胸が、、、)
見つめていると、落ち着いていたはずの動悸がまた起こってきた。しかし、彼から目を離すことは出来なかった。
『どうしたの?俺の顔に何か付いてる?』
凛月の視線に気がついた夏生が、フワッと笑いきいてきた。
(うわ、すごいな、、、姉さんよくこんな人捕まえたな)
傍から見れば美形2人が見つめあってるようにしか見えないが、凛月は自分の容姿の優秀さに気づいておらず、そんな考えには全く及ばなかった。
「いえ、大丈夫です。それより良さげなヤツはありましたか?」
何となくいたたまれなくなった凛月は半ば強引に話題を変えた。
『うん、これなんてどうかな?』
夏生の手にはありきたりな宣伝文句の書かれた少し分厚い本が握られていた。
「いいですね、それにしましょう」
鼓動が激しく、大きな音を立てて五月蝿い。
(この動悸はなんなんだろう、、、)
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