2章

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(あんま寝れなかったな、、、) 翌朝起きると若干の倦怠感に襲われたが、それを除けば至って元気だった。 (学校か、、、) 正直あまり気乗りはしないが、学生である以上行かなければならない。 憂鬱な気持ちに苛まれながらも凛月は制服に袖を通した。 「おはようございます」 『おはよう!よく眠れた?』 「はい、ぐっすりでした」 正直に言ったら、心配するだろうから笑顔で嘘をついた。 『そっか、良かった!』 余談なのだが、凛月の部屋は夏生の部屋と隣である。凛月は隣じゃなくてもいいと言ったのだが、夏生が心配だから、とさして大した理由にもならない理由で半ば無理矢理そうなった。 『ご飯食べようか!』 「はい」 朝食は、スクランブルエッグとトースト、サラダにコーヒーだった。 『ごめんね、簡単なので』 「いえ、大丈夫です。全部好きな物ですから」 強いて言うならコーヒーが飲めないのだが、言わなければ大丈夫だろう。と思ったのだが、どうやらカップを手に取った瞬間顔が歪んだようだ。 『コーヒー苦手だった!?ごめんね、紅茶淹れるから』 「いえ、すみません」 そんなほのぼのとした時間は長くは続かず、、、 『よし、これ鍵ね!夜ご飯は俺が作るから!』 「はい、じゃあ行ってきます」 『はい、行ってらっしゃい!』 学校への道をゆっくりと進む。自然と足が重くなるようだ。 (はぁ、腹くくってやるしかないな) 小さく決意を固めた時、いきなり後ろから抱きつかれた。驚いて振り返ると、そこには馴染んだ顔があった。 そう、彼が幼馴染みの刈谷葵だった。
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