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『そういや、学校ではどうするんだ?授業とか色々大変だろう。会話の手段もアプリ使うぐらいしかないし』
半ば強引に話を逸らされた気がするが、葵のことだろう、きっと大したこと無いと思い、気持ちを切り替えた。
「そうだね。実はさ、手話をやろうと思ってるんだ。それだったら、分かる人には分かるでしょ」
流石に全員がやってるとは思えないが、友人の中にはやっていると聞いたことがあるような人物もいた。
『そうか、、、だったら俺も一緒にやるよ』
「え?」
『お前だって会話が出来る奴は1人でも多い方がいいだろ!』
凛月の考えた通り、葵は助けてくれるみたいだった。
相変わらず、葵の男前さには平服するしか無かった。
「ありがとう!フフッ、これで2人目だ」
凛月は葵の優しさについ笑ってしまったようだ。
『2人目?』
葵が怪訝な顔をした。
「うん、夏生さん、、、姉さんの婚約者だった人ね。その人もやるって言ってくれたんだ。だから、2人目」
「ふーん」
葵の顔が少し険しくなった。
「?、どうしたの?」
『いや、何でもない』
と言いつつも、葵の顔は晴れない。
「本当に大丈夫?さっきから変だよ」
先程拭ったはずの不信感がまた首をもたげてきた。
『大丈夫だって!!』
「本当に?」
『あ、ほら学校着いたぞ!』
かなり無理矢理話題を変えられたが、そこで屈する凛月では無かった。大切な親友が何か思う所が有りそうなのだ。ほっとく訳にもいくまい。
「こら、話を逸ら」
『あ!!俺日直だったわ!先教室行っといてくれ!』
「あ!、、、逃げられた」
葵は風のように去っていった。
こうなってしまっては葵はなかなか口を割らないので、面倒である。
(これはチクチク尋問コースかな、、、)
凛月の中で葵にとって1番酷な判決が下された事に彼が気づくのはもう少し後である。
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