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「え、、、?」
確かに凛月は困っていたが、唯一の繋がりであった姉がいなくなった以上彼とは他人と言っても過言では無かった。凛月にとっては有難い申し出だったが、他人となってしまった夏生に迷惑をかける訳にはいかなかった。
「でも、迷惑ですし、、、多分大丈夫ですから」
そんなこと1ミリも思っていなかったが、心配性な彼に迷惑をかけたくないし、安心させる為にも凛月はそう言った。
『凛月君、俺に迷惑かけると思ってるんでしょ。そんなこと思わないし、何より俺たち家族でしょ?もっと頼ってよ』
「!」
凛月は迷惑だと思っていたが、どうやら杞憂だったらしい。夏生にとって凛月はもう大切な家族だったのだ。
1人じゃない。それを認識した事で今まで凛月の中にあった不安や悲しさ、寂しさが涙となって溢れた。
凛月が突然泣き始めたことで夏生はとても慌てた。耳のことも忘れ、アワアワとハンカチを探しながら何度も「大丈夫?」と聞いてきた。凛月はその姿が何だか可愛く思えてつい笑ってしまった。
「ごめんなさい、優しくしてくれたのが嬉しくて、、、ありがとうございます。もう大丈夫です」
と可憐な笑顔で言った。
「ッ!!」
夏生が一瞬息を飲むように凛月を見た。
「?、俺の顔に何か付いてます?」
『いや、何でもないよ。凛月君こそ大丈夫?』
「はい、ありがとうございます」
どうやらさっきのは気の所為だったようだ。夏生は再び優しげな顔で聞いてきた。
『凛月君、部屋の事はどうする?無理強いはしないから君が選びな』
凛月の心に迷いは無かった。彼とならきっと一緒に暮らしていけるだろう、そう思った。
「ありがとうございます。、、、夏生さんが良ければ俺は一緒にいたいです」
『じゃあ、決まりだね!』
こうして夏生と凛月の同居が決まったのだった。
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