プロローグ

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プロローグ

雨が降っている。 激しく降っている訳では無い、 ただそれは心に、頭に響く悲しい雨だった。 姉が死んだ。 最愛の人だった。 心に大きな虚が空いたようで風が通り抜ける。 冷たく鋭い心を抉るような風。 「姉さん、、、」 涙なんて一粒も出てこない。 感じるのは漠然とした虚無感。 こんなんで、これからどう生きたらいいのだろう、、、 「凛月君、、、」 声と共に回された手は少し震えていた。 彼は、姉さんの婚約者で夏生さん。 俺の義兄になるはずだった人。 俺と同じ愛する人を亡くした人。 「ごめんな、、、」 あんたが謝る必要なんて無いのに、、、 「静流、、、、」 なんて悲しい声なんだろう、、、 聞いてる俺が苦しくなる、、、 「ごめん」 その声を最後に俺の意識は暗転し、 次に目覚めた時 俺の世界からは音が失われていた。
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