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「なんとかする」
「でもおじさんに……」
「余計な事は、今は考えなくて良い!俺が……俺が全部なんとかするから」
「涼ちゃんばっかりに負担掛けられないよ」
「負担なんかじゃねえよ。俺はお前が欲しい。だから、できる限り環境を整えてやりたい。それだけだよ」
そう言って笑った涼ちゃんは、驚くほど冷静で、私は涼ちゃんの奥にあった愛情にその時初めて触れられた気がした。
「涼ちゃんは……大人なんだか子供なんだか、良く分からないね」
「年相応だよ」
もう一度私を抱きしめて、深い深いため息をついた後、
「今の俺に、お前以上に大切なものは……ない」
そう言って、私の胸に顔を埋めて目を伏せた。
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