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A「ようやく来たのね。先に撮ってたわよ」 B「ごめんって。電車が少し止まっててさ」 僕はとある高校の写真部…という訳ではなく、単に趣味で写真を撮っている。彼女は僕の師匠みたいな人だ。 A「今日は何を撮るかわかってる?」 B「雪景色…だったよね?」 A「そうよ。この辺りの好きなものを撮りましょう」 そう言って彼女はまた写真を取り始めた。僕は何を撮ろうか迷ってはいたが、1枚目は彼女を撮ることにした。 A「…なんで私を撮るのよ」 B「え、好きなものを撮っていいんでしょ?」 A「…そうだったわね」 B(『好きなもの』じゃなくて『好きな人』なんだけどね) 僕は彼女のことが好きだ。でも、今の関係が壊れるのが嫌だから言っていない。それに、こうして彼女の写真が撮れるだけでも十分だ。 A「何をにやけているの?早く撮りなさい」 B「はーい」 今はまだ、今のままでいい。まだ時間はたっぷりある。ゆっくりと、この想いを伝えればいい。そう思いながら僕は、今日もシャッターを切る。愛する彼女の隣で。
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