『良心なき快楽』と『道徳なき商業』

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「オーバーホールしてメンテナンスすれば、高く売れるぞ。コウタ、お前の国では、こういうの結構人気なんだろ?」 「さあ、それよりもスティーブ、これを見てみろ。僕にはアザニア語は分からない」 コウタは窓際の床に血液で書かれたと思しきアザニア語文字を指さした。 「『良心なき快楽』と『道徳なき商業』。なんだこれは……」  お手上げだ、というようにスティーブが首をひねる。 「自分の体を金で売る女と、それを買う男、そう言うことか?」 窓から湿気を孕んだ生ぬるい風が差し込んで、血にまみれたカーテンが揺れた。
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