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「指、挿れるぞ」
器用な指先がテオドロスの中にじわじわと侵入してくる感触に、息を吐く。快楽に濡れた体はなんの抵抗もなくその指を受け入れた。
「んっ……ぁ、はっ……あっ!」
一番感じる場所に容赦なく触れられ、摘まれ、引っかかれ。テオドロスは堪えきれずに声を上げた。いつの間にかローションが足され、ぐちゃぐちゃと指が出し入れされる音が耳を犯す。
「ひぃっ……う……」
その声も、大樹の口の中に消える。唇を合わせて、舌を絡められるせいで上手く息ができずに酸欠になる。苦しい、と気持ちがいいが合わさってテオドロスの思考が散っていく。
「うー! ………んっ、うぅっ」
ぷは、と息をした瞬間に、一気に空気が入り込み、ぜぇぜぇと荒い息がやたらと近くで聞こえてテオドロスにとっては耳障りだった。大樹のことだけ感じていたかった。自分すら、邪魔だった。
「ご主人様っぁ、無理っ、もう、無理ぃ………」
一分一秒でも早くほしい、と大樹の体を強く抱きしめると、深くまで埋められた指が抜かれ、望んでいた熱に体を貫かれる。それだけでテオドロスは震えて白濁を零した。それを揶揄するように、大樹が指先でことさらゆっくりとそれを拭い取った。
「あーあ、入れただけでイッたのか?」
言葉でも嬲られて、テオドロスは羞恥で頬を染めながらも大樹の手を取り、指を汚す自分のものを舐めとった。そしてそのまま口に含み、恍惚とした表情でその指に舌を這わせた。苦味の間に、彼の汗の少ししょっぱい味。
「あーあー、すごい顔……おい……まだ終わりじゃないぞ」
テオドロスの足を抱え上げ、大樹はゆっくりと出し入れする。達したばかりで敏感になった体は、普段はもどかしいその刺激にも悲鳴を上げる。逃げる腰をしっかりと捕まえて、大樹はゆるゆると腰を動かした。
「ふっ……うぅ、あっ」
唇を噛み締めることすら出来なくなる。漏れる喘ぎに大樹は微笑み、そして、一際強く奥を突いた。
「ひぁっ……!」
快楽に溢れた涙を優しく拭い、その動作とは裏腹に激しく突く。テオドロスはその度体を震わせ、声を上げた。中を掻き回され、過ぎた快楽に頭を振りながら、それでも全身で大樹を感じていた。
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