Prologue

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わたしの外見は派手だ。 オリーブブラウンの髪色も、ウェーブも、ヘイゼルの瞳も、カラーリングやパーマやカラコンは一切したことがない、ど天然である。 加えて、ピンクがかった白い肌に、目鼻立ちのハッキリした顔は、よくハーフかクォーターに間違えられる。 中学に入った頃から街を歩けば、芸能事務所のスカウトがひっきりなしに声を掛けてきた。 女子大時代には、出版社からの読者モデルの誘いを断るのにうんざりした。 とりわけ一番イヤだったのは…… この目の前の人のように、中身も派手だと思われることだ。 今まで、派手で自信家で、わたしとつき合えば自慢になると思ってるような男の人ばかり、わたしに近づいてきた。 または、わたしも自分と同じようなタイプで「割り切った付き合い」ができると思い込んだ人とか。 わたしの性格は至って「普通」だ。 むしろ、地味って言ってもいいくらい。 休みの日だって、家にこもる方が気が楽なインドア派なのだ。 だけど、そんなこと、初対面の誤解している人に言っても信じないだろう。 ……それに、この調子じゃ、どうせこのお見合いは断られるだろうし。
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