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扉を開けると、将吾さんがベッドでノートPCを開いて仕事をしていた。ブルーライトをカットする眼鏡をかけていて、仕事モードでちょっと怖い雰囲気だった。
わたしに気づいた将吾さんが、目を見開く。
わたしが来るとは思わなかった顔だ。
急に怖気づいたわたしは先刻までの威勢の良さはどっかへ行って、こっぱみじんこになってしまった。まるで、悪さをして叱られた幼稚園児のように立ち竦んでしまう。
……やっぱり、戻ろう。
踵を返したそのとき……
「彩乃」
将吾さんが膝の上のノートPCをパタンと閉じた。ブルーライトカットの眼鏡も外した。
「……こっちにおいで」
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