8181人が本棚に入れています
本棚に追加
部屋の中はフロアライトのムーディーなオレンジの灯りだけだった。
将吾さんがわたしの部屋でのように、ベッドスプレッドとブランケットを捲って誘ってくれる。
「……お邪魔します」
わたしがそう言うと、ノートPCとブルーライトカットの眼鏡をサイドテーブルに片していた将吾さんがくくっ、と笑った。
……だって、このベッドでは初めてなんだもん。
わたしはベッドに入って、将吾さんの隣に座った。将吾さんが、してやったりのドヤ顔でニヤリと笑う。
「ようこそ……おれのベッドへ」
そして、わたしをすっぽり包み込むように抱きしめた。
こんなことされたら……悪口も、文句も、なにも言えなくなっちゃうじゃん。
……いや、素直になりましょう。
わたしは、こうしてほしくて来たのだ。
本当は、今日は一人で眠りにつきたくなかったのだ。
そう、今夜こそ……こんなふうに将吾さんに抱きしめられて、眠りたかったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!