酔った勢いで素直になってます

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……あれ? わたしはあることに気づいた。 あんなにわたしとのキスが好きな将吾さんが、今日は一度もしてこないのだ。 わたしは彼の顔を仰ぎ見た。 ……どうして、今夜は一度もキスをしないの? そう思った瞬間……わたしの方から将吾さんに、ちゅっ、とくちびるを重ねていた。 そういえば、今まで自分から男の人にキスをするのは、ちょっと記憶にない。 海洋とのときだって、あいつは剣道バカの朴念仁だったから、こちらから甘いムードを仕掛けるっていうふうにはなれなかったし。 だけど、将吾さんには幾度か、自分からキスをしていた。 「……っとに、酔った彩乃は」 将吾さんは目を細めた。 そして、わたしをくるんと反転させて、ベッドの上に押し倒した。 「素直になって……かわいいな」
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