8181人が本棚に入れています
本棚に追加
……あれ?
わたしはあることに気づいた。
あんなにわたしとのキスが好きな将吾さんが、今日は一度もしてこないのだ。
わたしは彼の顔を仰ぎ見た。
……どうして、今夜は一度もキスをしないの?
そう思った瞬間……わたしの方から将吾さんに、ちゅっ、とくちびるを重ねていた。
そういえば、今まで自分から男の人にキスをするのは、ちょっと記憶にない。
海洋とのときだって、あいつは剣道バカの朴念仁だったから、こちらから甘いムードを仕掛けるっていうふうにはなれなかったし。
だけど、将吾さんには幾度か、自分からキスをしていた。
「……っとに、酔った彩乃は」
将吾さんは目を細めた。
そして、わたしをくるんと反転させて、ベッドの上に押し倒した。
「素直になって……かわいいな」
最初のコメントを投稿しよう!